暖かい部屋と寒い部屋は何が違う?

収益物件の目利き、次は「部屋の暖かさ」だ。

 

暖かい部屋は住み心地が良いので、良い物件だと言える。

 

一般的に、昭和の木造アパートは、たいてい寒い。

 

平成の部屋と同じように暖房を入れていても、格段に寒い。

 

平成の家屋は小型のセラミックヒーターで十分に温まるのに、昭和のアパートはストーブをガンガン焚かなければ部屋が暖まらない。

 

これは一体どういうことなのか?

 

実は、部屋の暖かさというのは室温ではなく「体感温度」で決まる。

 

我々が感じる「暖かさ」は、肌に触れる空気の温度ではなく、輻射熱(ふくしゃねつ/熱放射)によって決まるかららしい。

 

輻射熱というのは、簡単に言うと、赤外線のような電磁波のことで、太陽の光を暖かく感じるのはこの輻射熱のせいだ。

 

そのため、部屋の暖かさは、室温ではなく、ストーブから発せられる輻射熱と、床や壁から発せられる輻射熱の、平均値くらいに体感温度が決まる。

 

つまり床や壁が冷たければ、いくらストーブを焚いても、寒さが和らがないのだ。

 

となると暖かい部屋かどうかは、断熱性能で決まる。

 

壁に断熱材を仕込んでいて、部屋の外に熱が逃げないようにしている平成のの部屋は、室内でヒーターを入れれば、それがそのまま部屋を暖めてくれる。

 

外からの寒さを断熱材で遮断し、暖房の熱を外に逃がさないため、次第に床や壁が暖まって、部屋全体が暖かく感じられるようになる。

 

一方、古い木造のアパートは、壁に断熱材を使っていないため、暖房しても熱がどんどん部屋の外に逃げて行くし、寒い外気に触れている床や壁は冷えたままになる。

 

そのため、いくらストーブを焚いても、部屋が暖かくならないのだ。




断熱リフォームと換気

暖かい部屋とは、部屋全体の断熱性能が高く、床や壁が冷たくならない部屋だ。

 

昭和の古いアパートというのは、断熱材が使われていないため、寒い日は床や壁からどんどん熱が逃げていく。

 

部屋の暖かさというのは、室温ではなく体感温度で決まり、体感温度は、周囲の物体から発せられる輻射熱で感じる。

 

そのため、ストーブを焚いても、床や壁が冷えたままでは、なかなか暖かさを感じることができないらしい。

 

ストーブ周辺の室温と、壁際の温度との平均くらいが、体感温度だと言うことだから、床や壁が冷たいと、暖房器具がいくら頑張っても、ダメなのだ。

 

となると部屋選び・物件選びでは、部屋の断熱性能が高い物件を選ぶべしと言うことになるのだが、実はここで別の問題が発生する。

 

それが「結露(けつろ)」で、断熱材を入れることによって、湿気が溜まりやすく、カビなどが生えやすくなるのだ。

 

断熱材を入れることによって空気の流れが遮断されると、そこで結露が発生してカビたり、水が溜まって床や壁の木材が腐って傷んでしまう。

 

木造建築が風通し良く造られているのは、木材が湿気に弱いためでで、断熱によって風通しが悪くなると、どこかに水が溜まったりするのだ。

 

そこで、最近の住宅基準では、24時間換気と言って、一日中、家の中を空気が循環して換気できるような仕組みを入れることになっている。

 

木造建築は風通しをよく造られている
→ 熱が逃げやすいので断熱材を入れる
→ 湿気が溜まりやすくなる
→ 24時間換気が必要になる
…というふうに、なってるわけだね。


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