防音フロア床材と、遮音等級
フローリングで床を張り替える場合、床材を選ぶ必要がある。
床材としては、
- 単層フローリング(無垢材)
- 複合フローリング(合板)
- クッションフロア(ビニール材)
という種類があるが、賃貸物件の床材として選ぶなら、合板床材ということになるだろう。
というのもビニール素材のクッションフロアというのは、安いが、タバコの灰などで溶けて跡が付く/span>。
そのため、運が悪いと入居者が退室するたびに、張り替えないといけないかも知れない。
一方、無垢材は木材そのままで、高い上に水やアンモニアに弱いので、メンテナンスが面倒になる。
一番無難なのが、オーク(ナラ)材や樺の木を使った合板床材で、さらに防音フロアであれば十分だろう。
一般的なフローリングの欠点としては、
- 水に弱い
- アンモニアに弱い
- 音が響く
- 断熱性能が悪い
ということなのだが、合板床材は耐水性や耐アンモニア性加工が為されている。
さらにポリウレタンのクッション素材を貼り合わせた「防音フロア床材」もある。
2階以上の部屋では、防音フロアが必須で、遮音等級:L40の床材を使いたい。
遮音等級には、D値とL値という2種類があるのだが、床材で問題になるのは、L値(衝撃音性能)の方だ。
衝撃音性能とは、モノを落とした時に伝わる響く音
防音フロア床材の防音性能は、遮音等級(L値)という数値で表される。
遮音等級というのはJIS規格で、音が伝わるのを遮る性能という意味だ。
遮音等級には、D値とL値という数値が有り、D値は空気の振動を遮る力を言う。
騒音が80デシベルで、聞こえる音が30デシベルになれば、50デシベル分の騒音低減効果があり、D50と言う風に表す。
つまりD値は大きければ大きいほど、遮音性能が高いと言うことになる。
一方、L値は「衝撃音性能」と言い、床や壁の響き方を表す数値になる。
衝撃音性能というのは、簡単に言うと、床に響く音のことで、さらに次のような2種類に分かれる。
- 重量床衝撃音(LH)…子供が飛び跳ねたり、走り回ったりする音
- 軽量床衝撃音(LL)…スプーンや皿などの食器が床に落ちた音、椅子を引きずる音
重量床衝撃音は、自動車用タイヤを1メートルの高さから落として測る。
軽量床衝撃音は、400グラムのハンマーを4cmの高さから落として測る。
このとき、階下で聞こえるホン(phon)数が、遮音等級になる。
つまり上の階でタイヤを落としたときに、下の階で50ホンならばLH-50になる。
上の階でハンマーを落としたときに、下の階で50本になれば、LL-50になる。
目安としては、L-40では、上の階の音がかすかに聞こえるくらいの遮音性能で、L-45は、上の階の音が聞こえるが気にならない程度になる。
防音フロア床材としては、できればL-40かL-45の遮音等級の床材を使いたいところだ。
床材の他にも、防音カーペットというのもあって、これも同じL値で性能が表されている。