吹き抜けや階段スペースの場所にも注意
収益物件で利益を上げるには、住みやすい物件を選ばねばならない。
というのも住みやすい物件なら、入居者が長期間住み続けてくれるため、空室率を下げることができるからだ。
2~3年ごとに住人が入れ替わる学生向けアパートでも、良い物件というのは後輩に紹介されて入居希望者が絶えない。
具体的に住みやすい部屋の条件としては、トイレ・バス別、収納スペース広め、陽当たりが良く換気や風通しが良い、などといった条件が挙げられる。
陽当たりは、南向きのベランダや壁があるかどうか、風通しの良さは、南北や東西と言った反対方向に窓があるかどうか。
また玄関を開けたときに、風が入ってくる物件は、冬に冷えて寒いので避けたい。
さらに、二階建て住宅やロフトなど、屋内の上下に部屋がある場合は、階上と階下の風の流れにも注意が必要だ。
吹き抜けや階段スペースは、風の通り道になりやすく、下の階が寒くなりやすいのだ。
たとえば屋内の吹き抜けや階段スペースが南側にあると、暖まった空気が階上に上昇し、冷えた空気が階下に下っていく。
逆に、屋内の吹き抜けや階段スペースが北側にあると、放射冷却で空気が冷えやすくなり、下降気流ができる。
陽当たりが良い方が温かくて良いので、吹き抜けや階段スペースは南側にあった方が良いだろうが、それでも階下は寒くなるのだ。
これを特に「コールド・ドラフト」と呼ぶのだが、下の階の部屋が寒くならないような工夫ができるかどうかも、物件購入のポイントになるだろう。
吹き抜けや階段スペース室は、臭いや音の通り道にもなる
コールドドラフトとは、窓などから冷たい空気が流れ込んで、冷えるという現象だ。
屋内の吹き抜けや階段スペースが北側にあったりすると、冷たい空気が階下に流れ込み、部屋が冷え切るという現象が起こるが、これがコールドドラフトだ。
南側の窓でも、断熱効果の低い窓だと、放射冷却で熱が逃げていくため、窓際で空気が冷やされて屋内に風が起こったりする。
冷えた風が吹くと年寄りや病人の身体に障るので、コールドドラフトは健康に良くない。
タダでさえ陽当たりが悪くて冷えやすい北側に、さらに冷たい空気が流れ込むわけだから、最悪の部類の一つだろう。
特に玄関が北向きの二階建て住宅で、階段スペースも北側に面している物件は良くない。
また、吹き抜けや階段スペースは、音や臭いの通り道にもなる。
ので、他の部屋の雑音も聞こえやすくなるし、トイレや台所などの臭いも臭いやすくなる。
広い部屋や吹き抜けは、開放感はあるのだけれど、臭いや音の通り道になるため、台所やトイレの臭いが拡がる原因にもなるのだ。
さらに天井の高さに比例して冷暖房費も高くつくので、天井が高い物件で吹き抜けがあるような物件は、暖房コストが半端ない。
日の当たらない北側に吹き抜けや階段スペースがある物件は、いろんな意味で避けたい物件の一つだろう。
もちろんリビングも、日当たりの良い南側の方が良い。