リフォームできるかどうかは構造次第
日本の建築物は、建築基準法によって最低レベルの基準が決まっている。
なので中古物件は、その最低レベルの基準を満たすためにリフォームが必要になることが多い。
建築基準法の住宅に関する大きな変更は次の通りだ。
- 1981年…耐震性能基準が変更
- 1998年…省エネ性能基準が追加
- 2000年…耐力壁の配置バランスや地盤に応じた基礎
- 2003年…24時間換気システムの設置
81年の基準に合格した建物でも、6,000人以上がなくなった1995年の阪神・淡路大震災で、倒壊した建物が多かったため2,000年には耐力壁の規定が加わった。
また1998年の改訂では、断熱性能などの規定が盛り込まれ、冷暖房などの効率を良くするための基準ができた。
さらに2003年にはシックハウス症候群やカビなどで健康被害が出ないように、常に換気が行われるような基準ができた。
このため、2003年以降の建物は、地震に強く、壁の断熱性が高く、換気が効いた建物になっているわけだ。
となると、中古住宅を買ってリフォームするには、これらの基準を満たすようなリフォームが必要になる。
ところが、リフォームができるかどうかは、建物の構造が鍵になっていて、リフォーム不可能な場合もあるのだ。
ラーメン構造と壁式構造
住宅には大きく分けて、木造と木造以外がある。
木造の建物とは、木材を使って建てられた建物で、在来工法(軸組工法)とツーバイフォー工法がある。
木造以外の建物には、鉄骨造りと鉄筋コンクリート造りがある。
鉄筋コンクリート造りにも、現場でコンクリートを流し込むRC造りと、工場で鉄筋コンクリートを作って、現場で組み立てるプレキャスト工法がある。
それぞれいろんな特徴があるのだが、リフォームで問題になるのが建物の「構造」だ。
建物の構造には大きく分けて2種類あって、それが「ラーメン構造」と「壁式構造」だ。
ラーメン構造というのは、ドイツのラーメンさんが言い出した構造で、垂直に立てた柱と水平な梁によって建物を支える構造のことである。
ラーメン構造 図解
ラーメン構造では、柱と梁の接合部分ががっしりしていて(剛接合)、ここで建物を支える構造だ。
もう一方の壁式構造というのは壁を組み合わせて建てた構造で、ティッシュペーパーの箱や升(マス)みたいなモノだと思えば良い。
壁式構造のイメージ(升)
構造というのは建物を支えている部分という意味で、これは耐震性能と密接な関係があって、変更できない。
つまりラーメン構造では柱や梁は変更できないが、壁をぶち抜くことは可能である。
一方、壁式構造では壁をぶち抜くことはできない。