急造マンションは、怪しい

収益用不動産を買う際に、不良物件を掴まされないために、知っておくべき知識は色々ある。

 

それは建物がどのように建てられているかだ。

 

たとえば、賃貸用マンションと分譲マンションでは、そもそも部屋の造りや設備の充実度がかなり異なる。

 

賃貸用マンションでは、コストパフォーマンス重視で造られていて、とにかく部屋数を増やすことが優先されている。

 

そのため、部屋は手狭だし、壁は薄くて隣の部屋の雑音も聞こえるし、天井も低い。

 

トイレ・バスはユニットバスか、狭い浴槽だったしするし、下駄箱やクローゼットなども必要最小限のモノしか無かったりする。

 

エントランスなどの共用部分も狭く、あまり良い住環境とは言えなかったりする。

 

こういう物件では、空室ができたときに、すぐに入居者を見つけられない。

 

そのため、最近建てられた賃貸マンションでは、広い部屋や設備も充実させている物件も増えているけれど、一昔前のマンションではそうは行かない。

 

こういうマンションを収益用として購入して、果たして利益が出るのかどうか?

 

一方、分譲用マンションでも、怪しい物件がある。

 

というのも3月引き渡しのために、急造されたマンションもあるからだ。

 

不動産会社は3月末を年度末にしているところが多く、とにかく3月末に物件を引き渡そうとする場合が多い。

 

営業職も販売成績によって歩合やボーナスが決まるので、決算までに一定の売り上げを確保したい。

 

そのため3月末に引き渡すために、突貫作業で造られる急造マンションもあるのだ。




急ごしらえの物件は、欠陥が出やすい

不動産会社は、3月を年度末にしている事が多い。

 

そのため、新築マンションの多くが、3月入居可能にして、3月中に引き渡される。

 

新築マンション月別販売戸数は12月が特に多いが、これは手続きが色々あるからだ。

 

売買契約を結んでからの手続きが色々あるので、どうしても2ヶ月くらい後にならないと、不動産を引き渡すことができないからだ。

 

因みにどういう手続きで新築物件が引き渡されるかというと、次のようになる。

 

分譲マンション・一戸建て 購入手続きのながれ
  1. 申込・売買契約手続き(申込証拠金・手付金納入 物件の10~20%)
  2. 住宅ローン申込手続き(2~4週間後に審査結果)
  3. 入居説明会(入居1~2ヶ月前:引き渡し日などの設定)
  4. 自己資金残金・登記費用等預り金の入金
  5. 竣工内覧会(建物の設備や内装などの最終チェック)
  6. 金銭消費貸借手続き(住宅ローンの借り入れ)
  7. 引渡・入居(引っ越しの諸手続)

これはもちろん手続き上の話であるが、建築工程も混み合う。

 

3月引き渡しに間に合うようにマンションを建てるわけだから、作業員や職人も取り合いになっているケースがあるのだ。

 

建築会社が社内に作業員や職人を抱えている場合は問題は無いが、外部調達で建築している場合は、どうしても混み合ってしまう。

 

住宅建築では、型枠工・左官・電気工事・内装など、専門的な技術が必要になる作業は多いが、そういう専門職や職人さんを確保できないと、工程の遅れが出てしまって、急造マンションになってしまうのだ。

 

たとえばコンクリートの養生が十分でなく、コンクリートがしっかり固まる前に次の作業に入ってしまったりする。

 

こういうことをするとコンクリートの劣化が早くなって、中古物件としての価値がドーンと下がったりするのだ。

 

こういう急ごしらえの建物は、なんだかんだ言って欠陥が出やすいので、なんだかんだと予期せぬ出費があったりする。


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