構造によってはリフォームできない部分がある
住宅の建て方には大きく分けるとラーメン構造と壁式構造がある。
ラーメン構造と壁式構造では、建物を支えている仕組みが違う。
ラーメン構造では、垂直に立てた柱と、水平に張った梁で建物を支えている。
壁式構造では、壁を組み合わせて、升や箱のような形で建物を支えている。
そのためラーメン構造では、柱と梁さえしっかりしておれば壁をぶち抜いて広い間取りも作ることができる。
ただし柱と梁はリフォームで取り除くことができない。
いくら柱と梁が邪魔だからと言って、リフォームで取り除くと構造が弱くなり、地震に耐えられない建物になってしまうからだ。
特に木造のラーメン構造は、地震の横揺れに弱いので、壁に筋交いを入れて耐震強度を増やさねばならないから、とてもじゃないが柱や梁を減らすわけにはいかないのだ。
一方、床と天井と四方の壁とでつくる壁式構造は、壁で建物の強度をしっかり確保しているので、地震の横揺れにはとても強い。
木造のツーバイフォー工法とか、プレキャスト工法で作られた鉄筋コンクリート造りがこれに当たる。
壁式構造の建物の場合は、四隅に柱もないし天井にも張りがないので、室内が非常にスッキリした構造になっている。
四方が厚めの壁でできているため、断熱性も良くて冷暖房の効率も良い。
遮音性にも優れていて、隣の物音も聞こえにくい。
ただし壁で建物を支えているために、壁をぶち抜くようなリフォームはできない。
また窓やベランダのサッシなどの開口部を大きくするようなリフォームもできない。
なので壁をぶち抜いて広い部屋を作ろうと思っても、壁式構造の建物ではそれができないわけだ。
鉄筋コンクリートもピンからキリ
木造建築の場合、基礎に鉄筋が入っていないと、地震でひび割れが入ったりする。
壁に筋交いが入っていなかったり、柱と梁のつなぎ目に金具がないと、耐震性が十分でなかったりする。
なので中古物件を買う場合は、そういうところが非常に重要になる。
一方、鉄筋コンクリート造り(RC)では、コンクリートの出来不出来が大きな問題になる。
コンクリートというのは、生コンクリートに砂や砂利と水を混ぜて作るものだが、良いコンクリートを作るのには技術が要る。
水の量が少なすぎるとピッタリと型に入らないし、気泡などができて弱くなってしまう。
逆に水の量が多すぎると過剰水と言って、コンクリートの強度が弱くなってしまって、十数年でひびが入ったりして中の鉄筋が錆びる。
またコンクリートを乾かす養生という作業が不十分だったり、コンクリートが固まる前に、表面の雨などがかかってしまうと、コンクリートの出来にムラができて弱くなってしまう。
特に難しいのは寒い冬場に建てられた建物で、1月2月に突貫工事で作ると危ないらしい。
その結果、10年もたたずにひびが入り始めたり、中の鉄筋が錆びて強度が落ちたりするわけだ。
なので鉄筋コンクリート(RC造)の場合は、何月頃に完成した建物なのかにも気をつけたいところだ。
ただし現場でコンクリートを作らず工場で鉄筋コンクリートを作って、それを現場で組み立てるプレキャスト工法というのもある。
プレキャスト・コンクリートは工場で作るために品質が安定し、工期も短いのが特徴だが、これなら季節はあまり関係が無い。
プレキャスト工法の場合は、壁式構造になることが多いので、建物からある程度、推測することが可能だ。