【動画】プレキャスト工法 工場で作るコンクリート
収益用不動産で老後も収入を得る。
そのためには、物件に対する知識が重要だ。
一口に住宅と言っても、様々な工法があって、その違いを理解することも重要だろう。
たとえば木造の住宅なら大きく分けて
- 在来工法(軸組工法)
- 2×4(ツーバイフォー)工法
という建て方がある。
一方、鉄を使って建てる建物なら、
- 鉄骨造り(軽量鉄骨、重量鉄骨)
- 鉄筋コンクリート(RC、PC造)
という2つの建て方がある。
在来工法(軸組工法)とは、寺や神社のように、木製の柱と梁(はり)を組み合わせた建物だ。
柱と梁を組み合わせて建てる工法は、ラーメン構造の建て方だ。
一方、ツーバイフォー工法とは、工場で壁造って、それを現場で組み立てる工法だ。
壁を組み立てて作るので、壁式構造と言う。
鉄骨造りは、鉄骨で建物の骨格を造り、そこに壁をはめて建てる建て方だ。
鉄骨で建物を支えるので、ラーメン構造だ。
また、鉄筋コンクリートの建物には、RC造りとPC工法の2種類がある。
RC造りとは、現場で鉄筋を組み、そこにコンクリートを流し込んで固める方法(現場打ちコンクリート)で、構造は「ラーメン構造」が多い。
RC造りでは大きな建物が作れるが、コンクリートを固めるのに時間がかかるため、1階あたり1ヶ月必要になり、工期が非常に長くなる。
また現場打ちコンクリートは水分量の調節が難しく、養生作業も経験が必要になるため、職人・技術者の腕の差が出やすい。
一方、PC工法(プレキャスト工法)とは、コンクリートを工場で打ち、それを現場に運び込んで組み立てる建て方だ。
構造は、木造のツーバイフォーと同じような、壁式構造の建物になる。
プレキャストコンクリートは、工場で造るため品質が安定していて、比較的信頼ができる。
PC(プレキャスト鉄筋コンクリート)製造工程の動画
プレキャスト工法 地震には強いが、リフォームしにくい
プレキャスト・コンクリート(PC造り鉄筋コンクリート)は、工場で作る鉄筋コンクリートだ。
プレキャストコンクリートは、工場で造るため、現場打ちコンクリートと比べて、品質が一定で、天候にも影響を受けにくく、短い工期で建物が建てられる。
現場打ちコンクリートでは、1階ごとにコンクリートが固まるまで、2週間くらい養生期間が必要なため、工期も1階あたり1ヶ月もかかってしまう。
しかしPC工法だと、十分に工場で乾かした鉄筋コンクリートを、建築現場に運んで組み立てるだけなので、1階あたり1~3日程度で造ることができるという。
コンクリートの壁を運んできて、クレーンで組み立てていくだけだから、それも当然だが。
PC造りの他の利点としては、地震に強いという点が挙げられる。
阪神・淡路大震災でも、PC造りの建物は殆ど壊れず、非常に地震に強かったようだ。
ただPC工法にも難点が色々あって、たとえば工場から離れた場所では輸送コストが高くなる。
山の斜面など、大型クレーンを持ち込めない場所では、建てられない。
デザイン的にも、ティッシュボックスを積み上げたような形になるため、ありふれた建物になる。
壁で建物を支えているので、部屋の中には柱がなく広いが、大きな窓は作れないし、壁をぶち抜いたりすることもできない。
そのため、中古物件を買ったとしても、リフォームできる部分は非常に限られてしまうので、収益用物件として手に入れる場合は、リフォームの費用も考えておくべきだろう。