和室を洋室にリフォームする
収益物件のリフォーム、次は床の張り替えだ。
文化住宅などの昭和のアパートでは、全室畳敷きになっているところが多いが、フローリングに変えた方が良い物件になる事が多い。
というのも高級旅館の和室のように、陽当たりが良く風通しの良い和室なら良いが、日が当たらず湿気た和室では、暗い布団部屋のようなモノで、あまり良くないからだ。
また、和室は維持コストも嵩む。
和室は襖(ふすま)や障子など、破れやすい素材でできており、子供やペットが汚したり破いたりしやすい。
しかし元々そう言うものだから、退去時に修繕費用を請求することはできない。
「退去時に畳の表替え費用を支払う」という賃貸契約もあるが、襖や障子が破れたり汚れた程度の「通常損耗」では、修繕費は家主持ちが原則だ。
また畳のデメリットを避けるために、リフォームする場合もある。
畳というのは、多かれ少なかれデコボコしているので、机やベッドなどを置きにくい。
また高齢者になると、畳の継ぎ目やデコボコに足を取られて転倒することも多く、骨折したり頭を打つリスクが高い。
介護が必要な場合も、畳よりもベッドの方が都合良く、衛生面からもフローリングの方が良いという。
というのも歳をとると、食べ物や飲み物をボロボロこぼしやすくなるが、畳では汚れがしみこんでしまいやすくて、ダニやカビが発生しやすくなるのだ。
というわけで、和室から洋室へリフォームをするわけだが、費用も比較的安く済む。
というのも6畳間をフローリングにするのに、10万~20万円くらいしかかからないからだ。
フローリングというのは、簡単に言うと「板張り」だから、材料は木材だけだし、施工もただ、木を切って並べて貼っていくという、比較的シンプルな作業だしね。
クロス(壁紙)を貼ったり、襖を洋風の引き戸や折れ戸に替えたりすると、費用はさらに嵩むけれど、そこまでしなくても美室になる場合も多い。
また和室の敷居や鴨居などの枠と同じサイズのリフォーム用木製ドアも1枚1万円前後で手に入るので、襖を木製ドアに替えるのも、すぐにできる。
フローリング床材の材料費は?
和室を洋室に替えるには、畳をはがしてフローリングにする。
具体的には
- 畳をはがして処分する
- 根太(ねだ)の強化
- 下地調整・断熱材挿入
- 床材でフローリングを敷く
と言う工程になる。
フローリングの床材として使われるのは、
- 単層フローリング(無垢材)
- 複合フローリング(合板)
- クッションフロア(ビニール材)
単層フローリングは、木材をそのまま使った床材のことで、無垢材と呼ばれる。
複合フローリングは、合板床材で、複数の木材を組み合わせた床材を使う。
クッションフロアとは、住宅用のビニールシート床材で、ビニールカーペットになる。
価格はクッションフロアが一番安く、単層フローリング(無垢材)が最も高い。
「積算資料」によると、1平方メートルあたりの材料費は、
- クッションフロア … 数千円
- 複合フローリング(合板) … 5,000円から12,000円程度
- コルク床材 … 6,000円から15,000円程度
- 単層フローリング(無垢材) … ピンキリ
となっている。
カバやナラの木の床材なら、1平方メートルあたり6,000円前後だが、ヒノキになると材料費だけで3万円とか5万円になる。
階下に音が漏れにくい「防音フロア床材」を使用する場合は、カバ材で平方メートル辺り12,000円くらいになる。
防音フロア床材というのは、床材の裏面にポリウレタンなどのクッション素材を貼ったもので、足音などの音が階下に伝わらないようになっている。