ワンルームマンションとは

不動産投資・アパート経営と言えば、ワンルームマンション投資が思い浮かぶ人も多いだろう。

 

というのも二十世紀後半に、都市部や都市近郊部を中心に、ワンルームマンションが山ほど建てられたからだ。

 

ワンルームマンションには、ハッキリした定義はないのだが、3~4階建てくらいの鉄筋コンクリート建て集合住宅で、一戸の専有面積20平方メートルちょっとくらい。

 

8畳くらいの部屋に、ユニットバスと狭いキッチンが付いている、1K物件だと思えば良い。

 

1980年代前後から、大学のキャンパス近くの空き地に、ワンルームマンションがどんどん建てられ、東京の都心部の駅周辺にも、似たようなモノがどんどん建てられた。

 

かつて大学生が住む下宿と言えば、風呂無しトイレ共同が当たり前だったから、部屋内にユニットバスがあり、エアコン完備のワンルームマンションというのは、窮屈とは言え羨望の的だった。

 

実際、ワンルームマンションの賃料は、四畳半アパートが月1~2万の時代に、3~4万円もしていたから、投資のし甲斐も十分にあったのだろう。

 

この時代は、駅に近いところに土地を持っている農家や自営業者が、ワンルームマンションを一棟、まるまる建てるという方法で住宅を造ったもんだったから、土地も持たない人間には縁遠いモノだった。

 

ところが分譲マンションを買って、それを他人に貸すという方法で、不動産投資を行う人も出てきて、ワンルームマンションも同じように扱われ出した。

 

台湾出身の直木賞作家、故・邱永漢さんなどもそういう話をよく雑誌で紹介していたね。




ワンルームマンション投資は、そんなに儲かるものでは無い

ワンルームマンション投資とは、ワンルームマンションを区分所有して、それを誰かに貸して収益を上げる不動産投資だ。

 

個人ができる不動産投資というと、下宿や文化住宅のようなアパートを一棟買って、家賃収入で生活をすると言ったイメージだ。

 

しかし鉄筋コンクリート建てでも、区分所有できる分譲マンションであれば、それは個人の所有物になるため、一部屋からでも始めることができる。

 

台湾出身で東大卒の直木賞作家の邱永漢(きゅう・えいかん)さんは、日本が低成長時代に入る以前から、都市部に分譲マンションをローンで買って、それを人に貸してローンを返すという方法を、提唱していた。

 

邱センセイの場合は、ファミリー向けマンションやビジネスマン向けに事業を展開していたようだが、学生や単身者向けに行うのがワンルームマンション投資だ。

 

ところがこのワンルームマンション投資、初心者にはかなりハードルが高い。

 

まず、新築のワンルームマンションの価格は、2,500万円前後だが、買った瞬間に中古物件になるため、500万円くらいは価値が下がる。

 

ワンルームマンション投資が上手く行かず、中古物件として売却する場合、500万以上の評価損が出ることは覚悟しないといけない。

 

中古ワンルームマンションでも、一戸あたり1,500万円くらいは必要で、5%の表面利回りを見込んでも、年75万くらいしか売り上げがない。

 

5%なら20年で元が取れる計算だが、管理費や維持費などを差し引いたら、殆ど残らない。

 

マンションの購入資金を借り入れで賄う場合なら、利払いも元本返済もあるので、果たして手元に利益が残るかどうか。

 

そうしてようやく手に入れた不動産でも、ローンを完済する頃には物件は築30年以上になってるから、、資産価値もないし売るにも売れない。

 

土地付きの中古アパートなら、土地が残るから、立地によっては色々使い道もあるだろうけど、ワンルームマンション投資というのは、長期投資には向かないらしい。

 

さらにワンルームマンションに対しては、行政側も規制を強めつつある。

 

というのもワンルームマンションの入居者の半数は住民登録をせずに住んでいて、地方税を殆ど負担しないからだ。

 

そのため、ワンルームマンション税という税金を課す自治体もある。


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